皆さんこんにちは。”THE BARBER CITY”運営者の市長だ。
今回は「スリックバックの整え方」についてお伝えしていこう。
スリックバックはまさにクラシックバーバースタイルを体現した髪型と言える。20代の若者から、人生の中盤に差し掛かった諸先輩方まで、多くの男性の格を上げる髪型だ。
清潔さ・男らしさ・威厳、いずれも兼ね備えた髪型は、スリックバック以外に思いつくのが難しい。
今回はバーバースタイルの王道とも言える、スリックバックのスタイリング方法について解説していく。
スリックバックで、気分も、男の格も上げていこう。
本記事はこんな人にオススメ!
スリックバックとは?

スリックバック──それは、往年の映画スターやクラシックなマフィア映画に登場する男たちの定番スタイルである。
歴史は古く、そのルーツは1900年代初頭のヨーロッパ上流階級まで遡り、いつの時代でも清潔感や自信を表現していた。
髪をきっちり後ろへなでつけるだけで、時にはフォーマルな印象を、時にはクラシカルで男らしい印象を与える。
スリックバックは、シンプルなスタイルながら、手を抜けばすぐに崩れてしまう。だからこそ、きちんと整えたときの完成度は格別だ。もちろん、フェードとの相性も抜群。
シンプル・イズ・ベストとはまさにこのことだ。

スリックバックのスタイリングに必要な道具
サイドパートや他の髪型同様、スリックバックもスタイリングが生命線だ。道具無しで、スリックバックのスタイリングを行うことはできない。
改めて、スリックバックのスタイリングに必要なツールを紹介していこう。合わせて以下の記事も参照していただくと、より理解が深まるだろう。

最低限揃えておきたいツールは以下の通りだ。
- コーム
- ドライヤー
- ポマード
- グルーミングトニック/ベーススプレー
ポマード

今回、整髪料ではなく”ポマード”と記載したのは、スリックバックのスタイリングには、ジェル等の整髪料ではなく、ポマードを使ってもらいたいからだ。
スリックバックにとって、ポマードは最重要のツールと言える。
髪をしっかりとまとめ、長時間スタイルをキープするためには、高いホールド力と質感が求められ、それはポマードを使うことで、初めて作り出すことができる。
また、マット系のポマードより、ツヤ感のある物を使うことをおすすめする。髪の表面を滑らかに揃えることが、スリックバックの要である。
私がおすすめするポマードは以下の2種類。どちらも使用してみたが、スリックバックにとって最適解だと自負している。

コーム

スリックバックも他のスタイル同様、髪の流れが非常に重要である。シンプルだからこそ、そのラインの正確さが生命線である。
そこで、よりクラシカルなスタイリングを行うなら、コームの歯が細かいものをおすすめする。歯の間隔が細ければ細かいほど、クラシカルで重厚感のあるスタイルを表現することができる。
ドライヤー

スリックバックのスタイリングの下準備をするなかで、ドライヤー無しで行うのは不可能だ。
スリックバックは髪を後ろへ流すスタイルであり、降りている前髪を普段と逆の方向に持っていかなければならない。そのため、あらかじめドライヤーで熱を加え、後ろへ流す癖を付けておく必要があるのだ。
人間の髪の毛は、熱を加えるとやわらかく、冷えると固くなる性質を持つ。そのため、ドライヤーで熱を加え、あらかじめセットしたい髪型の癖を付けておくことで、スタイリングが容易となり、セットした後も崩れづらくなる。
そのため、ドライヤーはある程度しっかり風量があり、かつ風量調整ができるものを選択するのが適当だ。また、髪型をクセづける際に、髪を熱した後に冷風で冷やすことで、よりしっかりと行うことができる。
最近は大体のドライヤーで風量調整が可能であり、冷風も出てくるため、余程のことがなければどのドライヤーでも対応可能ではある。しかし、よりしっかりとスタイリングを行いたかったり、髪質のケアも重要視する人は、機能性にこだわるのも良いだろう。
グルーミングトニック/ベーススプレー
グルーミングトニックやベーススプレーについては、必ずしも必要ではないが、是非用意しておいてもらいたいツールである。
これらは、整髪料を付ける下地作りとして重宝する。使用するタイミングは、寝癖を直す際や、ドライヤーで髪の毛をクセづけておく際だ。
特にスリックバックは、ポマードを付ける前に髪の流れを如何に作り出すかが重要である。そのため、使用することでスタイリングがやりやすくなり、同時に完成度も格段に上がるだろう。
スリックバックの正しい整え方【完全ガイド】
それでは次に、スリックバックのスタイリング手順についてお伝えしよう。
ドライ
セットの成否は、ドライヤー時点で8割が決まる。
- グルーミングトニックやベーススプレーを軽く塗布(省いてもOK)
- 生えグセを見極め、前から後ろへ向かって風を当てる
- 指またはコームで軽くとかしながら、流れを作る
この段階でしっかりと根元の方向性と立ち上がりを作っておくことで、あとからポマードを乗せたときに“戻り”が起きにくくなる。
ポマードをなじませる
スリックバックの生命線は、ツヤとタイトさ。
そのためにはポマードの選び方と塗り方にひと工夫が必要だ。
- 使用量は指先第一関節ほどからスタート
- 両手にしっかり広げて、「後ろ向き」に指を通すようになじませる
- 後ろ側から髪をかきあげるように、髪の”裏側”にもしっかりとポマードをなじませる
この時、髪の毛全体にポマードが馴染んでいないと、最終のコームワークで整いにくくなる。ポマードを選ぶ時には、テクスチャー(伸びやすさ)も意識すると良いだろう。
コームで整える
ここがスリックバックの真骨頂だ。
- 粗めのコームで全体の流れをつける
- 細かめのコームで“面”を整えながらツヤを引き出す
- 横からのシルエットも確認し、頭の丸みに沿って流す
この時、頭頂部と側頭部の髪の高さにムラがあると、何とも締まりが無くなってしまう。前からだけではなく、横からの見た目もしっかり確認しよう。
どこから見ても美しいこと。これがスリックバックの美徳だ。
スタイリングを維持するための仕上げ
ポマードだけでは心もとない日や、一日持たせたい特別な日には、仕上げのひと手間が効果を発揮する。ポマードを付けた後に、ヘアスプレーを活用しよう。
また、ジェルを使用することでもガチガチに固まるため、比較的キープはしやすくなる。
しかし、スリックバックの魅力を楽しむためには、あえてポマードだけで1日を過ごしてみてほしい。
1日の終りに少し前髪が降りてきたときの“色気”は他の髪型では出すことはできない。
多少の崩れも魅力に変えてしまう。スリックバックはそんな髪型なのだ。
ポマードの使い方ポイント
ポマードを使い慣れていないと、最初は思い通りにセットできないことがある。
スタイリング方法と合わせて、ポマードの使い方ポイントについてもお伝えしよう。
•少なめからスタート
⇨足りなければ足せばいいが、つけすぎると重たくなってやり直しがきかない。
•指の腹だけではなく、手のひら全体でなじませる
⇨ムラを防ぎ、均一に塗布する。
•髪が乾きすぎていない状態で使うのがベスト
⇨完全ドライよりも、7〜8割乾いた状態が扱いやすい(水性ポマードの場合)
始めから自転車に乗れる人がいないように、スタイリングも最初からうまくいく人はいない。
うまくいかなくても落ち込まず、徐々に慣らしていこう。私も時々うまくいかず、テンションが上がらないときはある。
スタイリングの注意点
スリックバックは整えることより、崩さず保つことのほうが難しい。
特に汗や湿気が気になる季節は、朝どれだけ完璧に仕上げても、午後には崩れている…ということも珍しくない。
ここでは、スタイルを一日中美しくキープするためのコツを2つ解説する。
Set前の注意点 ── 汗・湿気・クセ毛対策
仕上がりの持続力は、セット前のひと手間で大きく変わる。
- 汗対策:顔まわりや額の汗腺を冷水で引き締めてからセットを始める
- 湿気対策:グルーミングトニックやプレスタイリングスプレーで根元を軽くコーティング
- クセ毛対策:熱でクセを矯正し、冷風で形状記憶させることを忘れずに
くせ毛や多毛の人ほど、「整える前の準備」が仕上がりと持続力を左右する。
日中のリタッチ術
外回りの多い日や、夕方以降の予定がある日は、ポケットにミニコームを忍ばせておくと安心だ。
- 崩れやすい前髪は、トイレのミラーでサッと整える
- 乾燥して浮いた毛には、手に少量の水分 or ポマードをなじませてからコームで整える
ポイントは、「触りすぎない」「なじませすぎない」。“ちょっと直す”をスマートに行うことが、クラシカルな色気を生む。
まとめ
今回は、スリックバックのスタイリング方法についてお伝えした。
本記事の内容を最後にまとめよう。
本記事のまとめ
- スリックバックはフォーマルかつ男らしい印象を与える
- コーム・ドライヤー・ポマード・(グルーミングトニック/ベーススプレー)はマスト
- スリックバックはポマードを付ける前の下準備が8割
- 少し崩れてもサッと整える余裕を持つ
スリックバックは1世紀以上の歴史を持つ。まさにクラシカルでトラディショナルな髪型だ。
清潔感と男らしさを両立させたい人は、是非取り入れてみてほしい。スリックバックをモノにした時、貴方は鏡に向かって「カッコいい」と呟いていることだろう。
この記事が、皆さんの「男の格」を上げる一助になれば幸いである。
【Mayer’s word〜市長の一言〜】
髪型も心も、整っている男はカッコいい。
市長