みなさんこんにちは。”THE BARBER CITY”運営者の市長です。
今回は「サイドパートの正しいスタイリング方法」についてお伝えしていこうと思う。
サイドパートは、ポンパドールやエグゼクティブコンツアーのようなダイナミック差は無いものの、古くから愛されるトラディショナルなスタイルであり、清潔感・品格・ダンディズムを兼ね備えた髪型だ。
バーバースタイル初心者も玄人も、必ず通るのがサイドパートである。
本記事では、バーバースタイルの一丁目一番地である、サイドパートのスタイリング方法について解説していく。
ただ分けるだけじゃ、サイドパートは決まらない。“クラシックにして洒脱”な仕上げには、ちょっとしたコツがある。
本記事はこんな人にオススメ!
サイドパートとは?
サイドパートは、頭頂部から左右どちらかに分け目を作り、そこから髪をサイドに流すスタイルのことだ。

本邦では、古くより七三分けというヘアスタイルがあるが、あれもサイドパートの1つだ。七三分けは髪の毛を7:3で分けているが、サイドパートでは6:4や8:2のように比率の自由度が高い。
そのため、髪の分け方によって雰囲気を変えることができる。当に髪型による自己表現とはこのことだろう。
余談であるが、漫画「呪術廻戦」に出てくる「ナナミン」こと七海建人は、七三分けから着想を得ていると言われている。(私が呪術廻戦の中で一番好きな好きなキャラクターでもある。アニメでは声がいい…!)

サイドパートの特徴は、分け目の位置や髪の流し方を調整することで、クラシックにもモダンにも寄せることができ、幅広い年齢・骨格・ファッションに合わせることができる点だ。
フェードを取り入れる際も、どのスタイルとも親和性がある。
また、スタイリングも比較的しやすいスタイルなので、バーバースタイル初心者にも勧めやすい。

サイドパートのスタイリングに必要な道具
前項で、サイドパートでは髪の分け方や流し方で雰囲気が変わることをお伝えした。つまり、サイドパートにおいてもスタイリングが生命線であるということは言うまでもない。
改めて、サイドパートのスタイリングに必要なツールを紹介していこう。合わせて以下の記事も参照していただくと、より理解が深まるだろう。

最低限揃えておきたいツールは以下の通りだ。
- コーム
- ドライヤー
- 整髪料
- グルーミングトニック/ベーススプレー
コーム(櫛)
サイドパートのスタイリングで重要となるのが、髪の流れである。
前髪を少し持ち上げればアクティブなイメージに、タイトに押さえればよりジェントルでクラシカルなイメージとなる。
その流れを作るのがコームの役割であり、必ず1つは用意しておこう。
また、コームの歯の間隔で、スタイリング後の雰囲気は大きく変わる。
例えば歯の間隔が細かい場合は、よりクラシカルで清潔感が在り、「カッチリ」したイメージとなる。(以下の写真のイメージ)

逆に歯の間隔が広めだと、よりラフでモダンな雰囲気となる。

これは皆さんの好みやどのような雰囲気を目指したいかで変わるため、必要に応じて使い分けるといいだろう。
コームによっては歯の間隔の細かいパーツと広いパーツが一緒になっている商品もあるため、どのスタイルが良いか決まっていない人は、どちらも対応できるものを用意しておくとよいだろう。
ドライヤー
しっかりとスタイリングを決めるためにも、ドライヤーは確実に準備しておこう。
人間の髪の毛は、熱を加えるとやわらかく、冷えると固くなる性質を持つ。そのため、ドライヤーで熱を加え、あらかじめセットしたい髪型の癖を付けておくことで、スタイリングが容易となり、セットした後も崩れづらくなる。
例えば、サイドパートでも前髪を立ち上げるスタイルを取りたい場合、整髪料を付ける前に前髪をクセづけておくことが必要だ。
そのため、ドライヤーはある程度しっかり風量があり、かつ風量調整ができるものを選択するのが適当だ。また、髪型をクセづける際に、髪を熱した後に冷風で冷やすことで、よりしっかりと行うことができる。
最近は大体のドライヤーで風量調整が可能であり、冷風も出てくるため、余程のことがなければどのドライヤーでも対応可能ではある。しかし、よりしっかりとスタイリングを行いたかったり、髪質のケアも重要視する人は、機能性にこだわるのも良いだろう。
整髪料
使用する整髪料はその人の好みによるが、バーバースタイルは最終的にしっかりとスタイリングを行うことで初めて完成する。
私がおすすめするのは、やはりポマードだ。
もちろんジェルやワックスでもセットすることは可能であるが、クラシックバーバースタイルを取り入れるのであれば、やはりポマードを使用したいところだ。
ポマードには油性・水性があるが、初心者は水性ポマードをおすすめする。
以前、ポマードについての記事も執筆したため、合わせてこちらもご覧いただきたい。

グルーミングトニック/ベーススプレー
グルーミングトニックやベーススプレーについては、必ずしも必要ではないが、有ると無いとではスタイリングのしやすさや仕上がりに差が出てくるので、是非用意しておいてもらいたいツールである。
これらはは、整髪料を付ける下地作りとして重宝し、使用するタイミングは、寝癖を直す際や、ドライヤーで髪の毛をクセづけておく際だ。ポマードやワックスのような固定力は無いが、髪の毛の流れをまとめる程度の固定力はある。
また、商品によっては香料が付いているものもあり、普段と違う雰囲気を醸し出すことができる。
整髪料の匂いが喧嘩してしまわないか心配な方は、使用しているポマードと同じメーカーから出されているものを選ぶといいだろう。
【実践】サイドパートのスタイリング手順
それでは次に、サイドパートのスタイリング手順についてお伝えしよう。
髪を濡らして寝癖を直す
まず最初に寝癖の修正だ。どこか1つでも跳ねていると、きれいに仕上がらない元となる。
先述した通り、髪は濡らすことで整えやすくなるため、シャワーや霧吹きで髪を濡らす。そして、自身のスタイルに整えよう。このときから、コームを使用するとより整えやすい。
先述したグルーミングトニックやスプレーは、ここで使用すると、寝癖を直しやすく、この後のドライヤーで癖をつけるのもやりやすくなる。
ドライヤーで癖付ける
髪を濡らして整えたら、次は乾燥させるフェーズに入る。
しっかり熱を加えてクセづけたいため、ドライヤーを使用しよう。この時、風量はmaxではなく、微風やSETモードを使用する。あまり風量が強いと、乾きやすくはなるが、髪が逆に崩れてしまう可能性がある。
さらにここでもうひと手間加えたい。それは、コームを使用することだ。コームを使用して髪を癖付けることで、この後に整髪料をつける際、よりセットがしやすくなる。
整髪料を付ける
そしていよいよ、ポマードの出番だ。
量としては、500円玉くらいの大きさ、もしくは手の人差し指の第一関節までに乗る量に調整しよう。無論、毛量や髪質で若干異なるため、これも自身でちょうどよい量を見極めてもらいたい。そして、しっかりと手の指と指の隙間まで整髪料を付けるように心がけること。
髪につける際には、髪の根元〜毛先まで、髪の裏表までムラがないようにしっかりと付ける。手ぐしを通すだけではなく、髪の毛を掻きむしるようなイメージで付けよう。
こうすることで、髪全体に整髪料を行き届かせることができる。毛先だけではなく、髪の中心部まで整髪料をなじませていくと、髪型が途中で崩れづらくなる。
また、油性ポマードを使用する場合、自分の手の体温で油分を溶かし、整髪料の伸びをよくしてあげる必要がある。
コームで整える
そして最後に、コームで形を整えていく。
髪の分け目の根本からしっかりとコームを通し、髪の毛の流れを作っていこう。
この時、できれば3面鏡があると、後頭部の髪型までチェックすることができる。
また、ポマードを使用する際は、ドライヤーの微風を当てながらコームで整えるのも効果的だ。ポマードは油=熱で溶けるため、温風を当てると髪の動きを出しやすくなる。
カットしてから時間が経ってくると、サイドのフェードの部分の髪が伸びて、トップとサイドのバランスが崩れてきてしまう場合がある。この場合、サイドの伸びてきた部分にも整髪料を付け、トップの髪の流れに沿うようにセットすることで、違和感を軽減することができる。
カットしたばかりでフェードの高さがまだ低い場合は、地肌に整髪料が付いて肌荒れの原因となってしまう可能性があるため、つかないように注意しよう。
ポマードの使い方ポイント
ポマードを使い慣れていないと、最初は思い通りにセットできないことがある。
スタイリング方法と合わせて、ポマードの使い方ポイントについてもお伝えしよう。
•少なめからスタート
⇨足りなければ足せばいいが、つけすぎると重たくなってやり直しがきかない。
•指の腹だけではなく、手のひら全体でなじませる
⇨ムラを防ぎ、均一に塗布する。
•髪が乾きすぎていない状態で使うのがベスト
⇨完全ドライよりも、7〜8割乾いた状態が扱いやすい(水性ポマードの場合)
始めから自転車に乗れる人がいないように、スタイリングも最初からうまくいく人はいない。
うまくいかなくても落ち込まず、徐々に慣らしていこう。私も時々うまくいかず、テンションが上がらないときはある。
スタイリングの注意点
ポマードの使い方ポイントと合わせ、スタイリングする際の注意点についても把握しておこう。
- ワックスやジェル感覚でグチャグチャに塗ると、セットしづらくなってしまう。
- コームを入れすぎるとポマードが白浮きすることがある。
- 髪の毛が濡れすぎていると、ポマードのホールド力が低下し、途中で崩れてきてしまう。
- 水性ポマードは湿度や熱に弱いため、夏場は崩れやすくなることがある。崩したくない人は、スプレー等で対策を。
まとめ
今回は、サイドパートのスタイリング方法についてお伝えした。
本記事の内容を最後にまとめよう。
本記事のまとめ
- サイドパートはバーバースタイル初心者にもおすすめのスタイル
- コーム・ドライヤー・ポマード・(グルーミングトニック/ベーススプレー)はマスト
- スタイリングの際は髪全体にポマードを付け、髪の流れを作る
- ポマードは“少しづつ”付ける
- ポマードの付け方が雑だったり、高温多湿だとスタイリングが崩れやすい
サイドパートは、ビジネスマンから軍人まで、多くの人に支持されるスタイルだ。
清潔感や落ち着きがある雰囲気を得たい人は、是非取り入れてみてほしい。多様性が叫ばれる今だからこそ、トラディショナルで普遍的なサイドパートのスタイルは、より輝くものがある。
この記事が、皆さんの「男の格」を上げる一助になれば幸いである。
【Mayer’s word〜市長の一言〜】
流行は過ぎ去る。スタイルは永遠だ。
“Fashion fades, only style remains the same.”
ココ・シャネル