皆さんこんにちは。THE BARBER CITY運営者の市長です。
ところで、皆さんは日頃のスタイリングではどのような整髪料をお使いだろうか?
世の中には、多種多様な整髪料が出回っており、選ぶだけでも一苦労である。
普段からバーバースタイルをとっている諸兄らならご理解いただけると思うが、バーバースタイルはスタイリングが非常に重要である。
フェードがmm単位で変わると雰囲気が変わるように、スタイリングも少しの違いで雰囲気や完成度に変化が生じる。
また、髪質は個人差が大きく、直毛なのか、癖毛なのか。剛毛なのか、軟毛なのか?量は多いのか、少ないのか?人それぞれである。それ故に、他人が勧めていた整髪料が自分には合わないということもよくある話だ。
そこで今回は、バーバースタイルに最適な整髪料とその特徴を解説していく。
バーバースタイル初心者で整髪料選びに悩んでいる人や、新しい整髪料を探している人は、是非最後まで目を通していただければと思う。
本記事はこんな人にオススメ
整髪料にはどんな種類があるか?
さて、まずはそもそもどんな整髪料があるか、皆さんは知っているだろうか?
近年世の中に出回っている整髪料は実に多種多様だ。ワックスは薬局やコンビニとどこで見かけるが、最近ではポマードも市民権を得てきている。また、髪質に気を遣い、ヘアオイルを使っている方もいるだろう。
だからこそ、各整髪料の特徴をしっかりと理解しておかないと、自分の理想とするスタイリングをすることはできない。
簡単に解説をしていこう。
ポマード

バーバースタイルに必須とも言えるアイテムがポマードだ。
ポマードと聞いて、どんなものかピンと来る人は、バーバースタイルに興味がある方とお見受けする。ちなみに、学校の怪談で、ポマードと3回唱えると怪異を撃退できると言われているが、今でも語り継がれているのだろうか?
ポマードは髪にツヤと強いホールド力を与える整髪料であり、何と1800年代から使われてたと言われている。かつてはりんごを原料とした香油として使われていたらしい。
ポマードは、大きく油性と水性の2種類に分けられる。成分は大きく異なるが、特徴は似ているのでまとめて説明しよう。
ポマードの特徴
- ツヤとウェット感:髪に濡れたような美しいツヤを与える
- 強いセット力:髪型を長時間キープでき、夜まで崩れない
- 再整髪が可能:ジェルのようにカチカチに固まらず、手ぐしやコームで再調整ができる
また、先述したようにポマードは2種類に分けられる。それらの特徴も説明していこう。
油性ポマード
- 動物性や植物性の”油やワセリン”を主成分とする
- 強いセット力とツヤがある
- 水で非常に落ちにくい
- 独特のツヤや香りがある
水性ポマード
- “グリース”とも呼ばれ、水素添加した油が主成分
- セット力も強い
- ツヤがあったり、マット感があったり多種多様
- 水で落ちやすくい
- 香りも商品ごとに様々
最近では水性ポマードが主流となってきているが、油性ポマードにも根強いファンは多い。両方を組み合わせて使う方法もある。
日常使いでは水性ポマードのほうが格段に使いやすいだろう。しかし、クラシックスタイルを取り入れるなら、一度は油性ポマードも試してもらいたい。
ジェル
ポマードに次いでバーバースタイルのスタイリングに使われるのがヘアジェルだろう。
ヘアジェルの歴史はポマード以上に古く、何と3500年前の古代エジプトで使われていたことがわかっており、ミイラから動物性脂肪を主成分としたジェルが検出されている(どちらかというとポマードみたいだが)。
近年では、アメリカで1960年代に現代的なジェルが発売され、今日に至っている。
ジェルの特徴は以下の通りだ。
ジェルの特徴
- 水性で落としやすい
- キープ力が強くガチガチに固まる
- ツヤ・ウェット感
- ベタつきづらい
- 短髪や癖毛にも使いやすい
ジェルの特徴は、何と言ってもその固定力と洗いやすさだろう。しっかりと固定することで、朝から晩まで崩れること無くスタイリングをキープできる。
また、ツヤ感やウェット感を髪に与えることができるため、よりフォーマルで清潔感のあるスタイルを演出できる。
しかし、注意しないといけない点があり、セットがうまくいかなかったり、途中でスタイルが崩れてしまった場合は修正が効かないという点だ。ジェルを付けてから数分で固まってしまうため、手早くスタイリングする必要がある。
ワックス
男性の整髪料でも最もポピュラーなのがワックスだろう。
ワックスは本邦では1990年代後半より、ヘアスタイルのトレンドの変化とともに発展してきた。
現代では男女問わず幅広い年代に支持されており、年々新しい商品が発売されている。
ワックスの特徴
- マットからツヤ感まで幅広い質感が選べる
- ソフト〜ハードまで接ろ力の幅が広い
- 再整髪が可能
- 対応している髪型が多い
- 初心者でも使いやすい
- 種類が多く、手に入りやすい
ワックスは上述の通り、誰でも手に入れやすく、初心者でも使いやすいのが特徴だ。整髪料の中でも当に万能選手と言える。
しかし、ポマードやジェルよりも固定性に欠けるため、バーバースタイルのスタイリングをする際には、しっかりと固定力のある整髪料を選ぶ必要がある。
近年では固定性も高く、バーバースタイルにも適している商品も出てきているため、また紹介していければと思う。
スプレー
ヘアスプレーは、人によって使用経験の有無が分かれるところであろう。
へスプレーは1950年代ころから使われ始め、そこから整髪料の多様化とともに改良が進み、今日に至っている。
ヘアスプレーの特徴
- 手軽に使える
- ヘアスタイルを長時間維持できる
- ツヤ出しやマットタイプ等、仕上がりのバリエーションが多い
- 前髪のみの固定等、使用用途が幅広い
確かにスプレーを使用すると、ポマードやワックスを使用した後でも非常に高い固定性を獲得することができる。
そのため、出張や旅行等で髪型を崩したくない場合は、非常に重宝する。しかし、先述のジェル同様、固定する=再調整が難しくなるということであり、スタイリングの直しやすさと固定性はトレードオフの関係となっているい。
バーバースタイルをとられる際には、ポマード等の使用後に使用するかどうかを検討してほしい。
しかし、個人的意見を言うのであれば、少し崩れた髪型も、色気があり、バーバースタイルの魅力の1つでもある。
バーム
ヘアバームは、元々は女性向けのヘアケア/スキンケア製品として誕生した。それが近年のナチュラル志向の高まりや、ヘアケアの需要の多様化を背景に、男性向けスタイリング剤として注目されるようになった。
自然派志向の読者にも響くアイテムであり、近年のバーム人気とともに注目度が高まっている。
ヘアバームの特徴
- 自然なツヤと軽いホールド:自然な質感を演出しつつ毛束を整える力がある。
- 保湿効果:シアバターやホホバオイルなどの保湿成分が含まれ、髪・頭皮に潤いを与える。ハンドクリームとして使うこともできる商品もあり。
- 柔軟性:固まりにくく、日中何度でも整髪が可能。手ぐしやコームで気軽に修正できる。
ヘアバームは使い方も簡単だ。手に適量を取り、指先でしっかりと温めたあと髪全体に馴染ませてセットするだけで、自然なまとまりが得られる。
しかし、ポマードやジェルのような強力な固定性を求めることはできない。そこで、比較的ショートヘアのスタイリングに使用できるだろう。
また、髪の保湿やフレグランス効果を謳っている商品が多いため、髪のダメージや匂いを重視する人は選択の余地があろう。
ヘアオイル

ヘアオイルは主に髪のケアを目的とした整髪料であり、古代エジプト時代から使われているという。あのクレオパトラも使ってたといわれている。日本では、武士が髷(まげ)を結う際に使われていた椿油や胡麻油もヘアオイルの1つだろう。
ヘアオイルには、髪質に柔らかさとツヤを与え、紫外線やドライヤーの熱からも髪を保護する効果がある。最近ではセット力があるタイプも発売されており、整髪料の1つとしての選択肢も出てきている。
ヘアオイルの特徴
- 髪の保湿・補修:アルガンオイルやホホバオイルなどが髪表面をコーティングし、パサつきや枝毛を防ぐ。
- 軽やかなツヤ感:重くない仕上がりで、自然な輝きをプラスする。
- 静電気防止:乾燥する季節にも髪のまとまりとツヤをキープしやすい。
ヘアオイルは、あくまで”オイル”であるため、髪を持ち上げるような固定性は期待できない。ポマードも元は油であるが、成分が異なるため、混同しないように注意が必要だ。
バーバースタイルにはあまり無いが、髪を下ろして流すスタイリングに活用できるだろう。
パウダー
パウダー整髪料は、軽やかなセット力と質感を追求する斬新な現代的なアイテムである。
17〜18世紀のヨーロッパでは、カツラに小麦粉や石膏を振りかけ、ボリュームや清涼感を演出する習慣があったそうだが、それとは全くことなるものだ。
使用したことが無い方も多いだろうが、整髪料の1つとして取りあげていこう。
パウダーの特徴
- 軽いセット力とボリューム:髪をふわっと立ち上げたいショートスタイルや、ボリュームを出したいスタイルに有効。
- マットな質感:粉末タイプなら、ツヤ感を出さずにマットな質感を演出できる。
- 使いやすさ即効性:手を汚さずに使用でき、スプレータイプなら手につかずにスタイリング可能。
パウダーは、海外の人の様にマット感のあるふんわりとしたボリュームのあるスタイリングができるのが特徴だ。しかし、ふんわり=スリックバックやサイドパートのような髪型には適さないだろう。
バーバースタイルだとしたら、アイビーリーグやクルーカットといったスタイルにおいて、程よいふんわり感を出しつつキープすることができるだろう。
整髪料を選ぶポイント
ここまでで、各種整髪料の特徴を紹介した。数が多くで覚えきれない人もいるだろうが、そこは化粧品メーカーの企業努力に免じて多めにみてほしい。
さて、これからは”どの髪型にどんな整髪料を選ぶべきか”という内容に移ろう。と言いたいところだが、その前に。我々日本人の髪質の特徴を頭に入れておこう。
日本人の髪質の特徴

日本人の髪は、一本一本が太くてコシがあり、しかも直毛。密度も高く、いわば「しっかり者」な髪質だ。その分、ボリュームは出やすくが、毛流れを演出するには少し工夫が必要になる。
また、キューティクルも厚く、ツヤが出やすい。黒く艶のある髪は、ポマードやジェルと相性抜群だ。ただし、ダメージには意外と敏感な一面もあるから、整髪料の成分や使い方には気を配りたいところだ。
また、日本は夏場は高温多湿な環境となるため、日々の環境や汗のかく量も頭に入れておく必要があろう。
髪型ごとの整髪料チョイス
それでは、各髪型ごとに、それに適した整髪料を紹介していこう。
各髪型の特徴については以下の記事で解説しているため、合わせて参考にしてもらいたい。

スリックバック×ポマード
スリックバックに求められるのは、流れるようなラインと、夜まで崩れないホールド力である。ここで選ぶべきはやはりポマード。とりわけ、油性ポマードは「崩れない」を体現する整髪料だ。
無骨なクラシック感を引き立てるならこれ以上の選択肢はない。一方、水性ポマードならシャンプーで簡単に落とせるため、普段使いにはこちらを推す。
ポンパドール×ポマード+ジェリー
高さと存在感で勝負するポンパドールには、ポマードのホールド力とジェリーの光沢感が欠かせない。
クラシカルなロックンロールスタイルを目指すなら、油性ポマードでガチッと固めるのも粋。だが、現代的に仕上げたいなら水性ポマードにジェリーを重ねてセットすれば、洗練された印象に変わる。
サイドパート×ポマード(軽め)orヘアバーム
品格と清潔感の象徴とも言えるサイドパートは、過度に主張しすぎない整髪料で仕上げるのが粋である。ツヤを重視するなら水性ポマード(ライトホールド)、自然な仕上がりを好むならヘアバームがおすすめだ。
バームならナチュラルに流しながら、ほどよく動きをつけることができる。清潔感に洒脱さを加えるには、この2択が最適解だ。
アイビーリーグ×ヘアバームorヘアオイル
アイビーリーグは、知性と若々しさを両立させた髪型だ。清潔感を保ちながらも、どこか遊びのある印象を演出したい。そのためには、自然なツヤと柔らかな質感を加える整髪料がマッチする。
おすすめはヘアバーム。スタイリングの自由度が高く、ラフにもタイトにも対応できる。また、乾燥を防ぎながら軽やかにまとめたいなら少量のヘアオイルでも良い。
フラットトップ×ジェリーorポマード
フラットトップに必要なのは、形を正確にキープできるセット力である。その条件を満たすのが、強めの水性ポマードまたはジェリー。
特にジェリーは、直線的なフォルムを際立たせるため、フォトジェニックな仕上がりになる。崩れることを許さない潔いスタイルには、妥協なき整髪料選びが必須だ。
バズカット×パウダーorヘアオイル
極めて短く、無骨な印象のバズカットは「整髪料不要」と思われがちだ。しかし、清潔感を演出するなら微調整が必要である。ここで使いたいのが、スタイリングパウダー。
ボリュームや立体感をさりげなく加えるだけで、一歩抜けた男の印象を与えられる。また、乾燥やフケが気になる方は、極少量のヘアオイルで潤いを与えるのも良い。余計なことはしない、だが整える——それが真のバーバーマインドだ。
クルーカット×水性ポマード(マット)orパウダー
クルーカットは、ミリタリーとアイビーが融合したような実直な髪型。サイドをタイトに抑え、トップに少し立ち上がりを持たせるこのスタイルには、ツヤ控えめで自然に立ち上がる質感が必要となる。
マット系ポマードを少量なじませれば、シャープでスマートな雰囲気を損なわず、きっちり感と自由度の絶妙なバランスが手に入る。全体のボリューム感が欲しいなら、スタイリングパウダーと併用するのも一つの手だ。
エグゼクティブコンツアー×ポマード(高ツヤ)
エグゼクティブコンツアーは、クラシックバーバースタイルの中でももっとも洗練された髪型の一つ。流れるようなライン、鋭角なパート、そして高い清潔感。これらすべてを実現するには、上質なポマードの力を借りるしかない。
ツヤとセット力の両立が可能な水性ポマード(ハードタイプ)は、このスタイルにこそ真価を発揮する。
ハードパート×ポマード
ハードパートは、線一本で勝負が決まる髪型だ。その精密さとエッジの効いたデザインには、整髪料にも緻密なコントロール性能が求められる。
選ぶべきは、コームでの操作性が高い水性ポマード。ラインを活かしつつ、全体に均一なセット力を与える。さらに、ジェリーを重ねて仕上げることで、立体感と光沢を引き上げることも可能だ。
髪型が語る「几帳面さ」や「知性」を最大限に引き出せるのが、この整髪法だ。
市長おすすめの整髪料は?:ポマード
貴方がバーバースタイルを取り入れるのであれば、やはり勧めるのはポマードになってくる。
その質感・セット力・スタイリングのしやすさを鑑みると、他に選ぶ余地はないだろう。その中でも、水性ポマードっであれば、比較的手に入りやすく、洗い落としやすい。
ポマードに対する先入観を捨て、是非一度試して見ることを強く勧める。今まで使ったことがない人は、その質感に驚くはずだ。私のおすすめも下に紹介しているので、よければ参考にしてほしい。
おすすめポマード
クックグリース
水性ポマードの代表格といえばクックグリースやクールグリースだ。安価・高品質・コスパの良さとどれを取っても間違いは無い。一番最初のポマードにおすすめだ。
ルーゾー
海外の有名バーバー”シュコーラム”が発売しているポマードで、これも間違いない。
油性・水性ともに販売されており、ツヤ感のあるタイプやマット感のあるタイプまで種類は様々だ。匂いも海外を思わせる。
BROSH POMADE
国内の有名バーバー”THE BROTHERS CUTCULB”が監修・販売している商品であり、質感や香りのバリエーションも豊富だ。
無香料のポマードも販売されているため、匂いが苦手な人や、仕事上匂いが強いものは使用できない人も使いやすい。
ウルフマンポマード
WOLFMAN BARBERSHOPから発売されているポマードだ。キープ力もさることながら、バニラの香りも大人の色気が漂い魅力的だ。クールグリースの阪本高生堂の生産なので、品質も間違いない。
無香料のタイプも販売されている。
まとめ
今回は、各種整髪料について紹介し、髪型毎に合わせた整髪料も紹介した。
だいぶボリューミーになったが、本記事の内容を最後にまとめよう。
本記事のまとめ
- 整髪料ごとに特徴がある
- 髪型ごとにも最適な整髪料がある
- バーバースタイルに最適なのはポマードである
- 初心者にはクックグリース/クールグリースがオススメ
バーバースタイルにとって、整髪料は当に「相棒」である。
最初のうちは中々自分にあった整髪料が見つからないだろうが、心配することはない。
貴方の今の親友やパートナーはそんなすぐに見つかっただろうか?色々な人との出会いを経て、今に至るだろう。
ポマードでも、ジェルでも、ヘアバームでも。貴方のスタイルに合った相棒にいつか出会うことを願っている。
【Mayor’s comment〜市長のひと言〜】
Good things come to those who wait 「良いものは待つ人に訪れる」